地震が起きた時に困ったことや備えておくべきことは?熊本で被災した体験談

今日は2018年12月31日、平成最後の大晦日です。

平成最後の今年を表す漢字が『災』になったことは少し残念ですね。

そんな2018年もあと数時間で終わりです。

元号が変わる2019年が一年を振り返った時に『福』の漢字で表されることを願って前向きに新年を迎えたいと思います。

 

私も新しい時代を迎えるにあたって、私が経験した最大の災厄『熊本地震』を新年に持ち越さないように、全部自分の中から吐き出しておきたいと思います。

ということで今回は、熊本地震に被災した体験から学んだことを記事にしたいと思います。

地震が起きた時に困ったこと・備えておくべきこと

私が住んでいるのは全国ニュースで何度も映像が流れた熊本県の益城町です。

まさに震源地でした。

この記事では、二度にわたる震度7の地震を受けてから、普通に暮らせるようになるまでの間に私が困ったことや、こうしておけばよかったと思うことを書いておきます。

避難経路

最初の震度7が来て、最初に困ったのは外に避難する時でした。

部屋の家具や冷蔵庫などがメチャクチャに倒れていて、おまけに停電して家の中は真っ暗です。

私は家族に呼び掛けて無事が確認できると、外に出るために玄関に向かいました。

ドアが開かなければ命の危険に関わるからです。

しかし玄関に続く通路をピアノ(アップライト)が倒れてふさいでいたのです。

真っ暗な状態でなんとかピアノを乗り越えて玄関のドアを開けることができました。

 

私はこの経験から、玄関への通路に妨げになるものは置いてはいけないということを学びました。

もしもの時のために家具の配置にも気を配りましょう。

夜は停電で真っ暗になる

最初の震度7が来た時、家具や冷蔵庫は右に左に倒れ、机の上のパソコンはコードを引きちぎらんばかりに吹っ飛びました。

そして直後に停電で真っ暗闇になりました。

何も見えないので家の中の状況がまったくわからずに手探りで進まなければなりませんでした。

懐中電灯など、停電でも灯りになるものがあるといいですね。

 

スマホがある人は冷静にライトの機能を使うと良いでしょう。

使い方を覚えておきましょう。

ご家族の方もスマホを持っているのであれば使い方を教えておくことをオススメします。

靴が大事

避難するときにガラスなどを踏んで足をケガすると命に関わります。

慌てて裸足やサンダルで外に飛び出さないようにしましょう。

ちゃんとした安全な靴を用意しておくことが望ましいです。

スマホの充電ができない

日頃スマホで動画やゲームに電池を使いすぎる人は要注意です。

被災したら生存確認や通信手段として電話が必要になります。

停電したら電気が復旧するまで充電できません。

もしもの時のためにバッテリーの残量に気を配った使い方をするようにした方が良いかもしれませんよ。

とにかく水が必要

被災して一番困ったのは、圧倒的に水が足りないということです。

水がないと

  • 顔を洗えない
  • 手も洗えない
  • カップラーメンも作れない
  • トイレも流せない
  • 当然、お風呂にも入れない

本当にできないことだらけでした。

トイレなんてメチャメチャ水がいりますからね。

とにかく生活には水が必要だと感じました。

 

自衛隊の救援活動で水を確保できるようになってからは、自衛隊のいる老人ホームに行くことが毎日の日課になりました。

ポリタンクいっぱいに水をもらえることが本当に嬉しかったです。

インフラが復旧して、家の水道から水が出た時はご近所のみなさんと大喜びしました。

今はもう震災前の暮らしができていますが、被災した当時の不便さは忘れてはいけませんよね。

この記事を書きながら、改めてそう感じました。

 

被災した私が言えることは、やはり水は保存しておくべきだということです。

とくに赤ちゃんのミルクを作る水には困ることになると思います。

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私の住んでいる熊本は浄水器を使わなくても水道からきれいな飲み水が出るので、ペットボトルの水を買うことがなかったんですよ。

しかし、震災を受けてからは水を買うようになりました。

水にも賞味期限があるので買う時にはチェック、長く保管している場合にもチェックするようにしましょう。

 

被災した時に全国のみなさんから支援していただいた飲料水はありがたく飲ませていただきました。

本当にありがとうございました。

温かい服装

私が被災した熊本地震が起きたのは2016年4月14日21時26分(1回目の震度7)。

そこから三日ほど野宿する羽目になったのですが、4月の夜はとても寒かったです。

私は地震が来てから一旦は外に避難したものの、あまりの寒さに家に服を取りに戻りました。

 

余震が続く中で、家に入ることはとても危険です。

しかし備えてなかったので危険を覚悟で戻ったわけです。

 

できれば温かい服を車のトランクに積んでおくか、いつでも持ち出せるように用意しておくのが望ましいですね。

車に毛布を積んでおくと、よりベターです。

車やバイク(運転免許)

被災したときに車があるかないかはとても重要なポイントです。

たとえば、食料や水を調達するときは歩いて行くのはとても大変です。

荷物をたくさん運ぶのであれば、できればバイクよりも車の方がいいです。

車ならば雨風をしのげますし、中で眠ることもできますからね。

 

私は運転免許を取得したのが年齢的にとても遅かったのですが、被災した時に「免許取っておいて良かった」と思いました。

可能であれば免許を取得しておく方が良いでしょう。

ガソリン

震災直後はガソリンスタンドに入りたい車で大渋滞しました。

日頃ガソリンをギリギリまで減ってからしか入れないという人は震災後に困るかもしれません。

余裕をもって給油することをおすすめします。

家具の転倒防止グッズ

震災前は地震が来るなんて思ってなかったので、なんの対策もしてませんでした。

震災後、ある程度復旧してからニトリに耐震グッズを買いに行きましたが、当然全部売り切れなんですよね。

本当に地震はいつ来るか分かりませんから、地震が少ないと思っている地域のみなさん、今のうちに家具に付ける耐震グッズは買っておきましょう。

私のように、地震が来て何もかも壊れてから買いに行っても意味がないですよ(;^ω^)

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持病のある人は薬が必要

最初の震度7が来た直後、私たち家族や、ご近所さんは近くの広場に避難しました。

しかしご近所さんの中には持病のある人がいて、「薬が必要だから」と言って停電した家の中に戻っていきました。

余震が続く中で家の中に戻るのはとても危険なので、できればそうならないようにしたいところです。

また救助隊の救援物資の中には持病に合う薬が届いていない可能性もあるらしいので、できれば避難するときに持ち出せる工夫をしておいてほしいと思います。

さいごに

熊本地震を経験した時、

「まさか自分の町がこんなことになるとは」

と何度も思いました。

 

それまで当たり前に使えていた水や電気がまったく使えなくなって、水や食料を確保するために奔走する毎日が『日常』になったのです。

 

震災から2年以上経った今でも、全国ニュースで自分の町の映像が流れるたびに

「本当にまさかだったよね」

と思います。

 

今回この記事を書くことによって、被災した時のことをたくさん思い出しました。

大変だったことや、これからどうなるのかなと不安に思ったこと。

普段あまり顔を合わせる機会がなかったご近所さんと話すようになったこと。

全国のみなさんからたくさんの支援をしてもらったこと。

 

そして、今現在はまた震災前と同じように水や電気を当たり前に使える毎日が『日常』になっています。

 

震災によってたくさんの人の人生が変わったはずです。

住む場所が変わった人、仕事を失った人、家族や大切な人を失くした人。

 

私はありがたいことに今現在を不自由なく暮らすことができています。

本当に運が良かったと思います。

 

震災から2年以上経つのに、『災害支援』と書かれたトラックを未だに見かけることがあります。

震源地で被災した私でも少しずつ記憶が薄れていく中、未だに支援を必要としている人がいて、そして手を差し伸べている人たちが現在もいるわけです。

 

私は震災を忘れてはいけないんですよね。

 

生き延びることができたこと。

助けてくれた人々がいること。

当たり前と思っている生活が、『有り難い』ものであることを。

 

時計を見たら、あとちょっとで2018年が終わってしまいますね。

ギリギリ今日のうちに記事を上げれて良かったです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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